数時間後のビッグクランチ
私は別に死にたいわけじゃない。生きるところまで生きたいって思ってる。下手な英雄願望があるわけでもないの。じゃあなんでわざわざ死ににいくのかって?
わざと死ににいくわけじゃないからだよ。 デュデュマと残ってるクロイツはこうしてる間にもマジェンガに近づいてる。ここに辿り着いたらみんな殺されてしまう。でもデュデュマを倒したらこの星は滅んでしまう。大丈夫、わかってる。何回も聞いたもの。けどどっちみち死んでしまうなら、私は自分にできることをやって死にたい。怯えて震えて絶望しながら死んでいくより、抗って死んでいくほうが楽だもの。これはなんの力にもなれなかった私の、なにもできなかった私の、最後の意地。
ベルジはきっと、自分にできる限界に挑んだ。あいつはそういう奴だから。できる限りのことをやったんだよ。その結果、あなたは救われた。あいつは一番大事なものを守りきった。
私も守りたいの。
あいつがやりきったことを無駄にしたくないの。
その結果死んだとしても構わないの。
泣かないで、メルパトラ。ごめんね。ベルジと同じことをしてごめんね。悲しませることになってごめんね。
それでも守りたいんだ。
ベルジもこうだったんだろうな。足が竦むくらい怖かったんだろうな。だけど、守りたいって思いは力になる。この力が背中を押して立たせてくれる。最後まで自分を動かす燃料になる。
約束するよ、絶対に悔やんだりはしない。誰も恨んだりしない。だって自分で決めたことだもの。戦えなかった私が戦えるんだから、むしろ感謝してるくらいなんだよ。
ベルジと、シュウガと、私。……私たち三人、あなたに逢えてよかった。マジェンガに来てなかったら、私たちはここまで強くなれなかったと思う。島でのーんびり暮らすばっかりでね。それはそれで幸せとは思うけど、かといって今までの経験をひっくり返すくらい羨ましいとは思わないな。特に男二人はそう思ってるんじゃない。え、シュウガ? 今はいないから本人には聞けないけど……あいつも単純だから。島を出てよかったって思ってるんじゃないかな。
さあ、もう時間がない。立ってメルパトラ。あなたの代わりに私が戦う。私が女神になる。
力をちょうだい。